交通事故の過失割合や過失相殺とは?損害賠償金が減額される仕組み

公開日:2016-04-20 |最終更新日:2021-10-15

交通事故の過失割合や過失相殺

交通事故では、必ず「過失」が問題となります。

交通事故における過失割合とは、ある交通事故において、被害者と加害者それぞれにどれくらいの落ち度、すなわち過失があったかという割合のことをいいます。

そして過失相殺とは、被害者側にも過失がある場合、その過失の割合に応じて損害賠償額が減額されることをいいます。

交通事故の当事者は、「加害者」と「被害者」という立場に分かれます。

加害者側が100%の過失の場合、被害者側は損害の全額を加害者に請求することができますが、加害者側に常に100%の過失があるとは限りません。
つまり、被害者側にも何割かの過失がある場合も当然あるということです。

ここでは、交通事故の過失割合と過失相殺について解説します。

交通事故の過失割合はどのように判断されるのか

過失割合は交通事故の状況によって判断されます。以下の例をご覧ください。

■ 加害者が追突や信号無視をした場合の過失割合
… 加害者100%:被害者0%

■ 加害者が一時停止を無視した場合の(基本的な)過失割合
… 加害者80%:被害者20%

■ 加害者が進路変更した場合の(基本的な)過失割合
… 加害者70%:被害者30%

追突事故を除き、走行中の自動車同士の交通事故では、ほとんどの場合において過失割合が問題となり、加害者側の過失が100%となるのは稀(まれ)です。

交通事故の損害で過失割合がかかる範囲

被害者側にも過失がある場合、その過失割合の分の損害額が差し引かれる(過失相殺される)のは、入通院慰謝料や休業損害、後遺障害慰謝料、後遺障害に伴う逸失利益といった損害だけではありません。

治療費や交通費などの実費にもかかってきます。

そのため、過失割合の判断は極めて重要なポイントになります。

交通事故の示談で過失相殺されるとどうなるのか

それでは、被害者側にも過失が認められた場合、加害者側に対する損害賠償請求にどのような影響が及ぶのでしょうか。

簡潔に申し上げると、被害者側の過失割合に応じて損害賠償額(実費を含む)が減額されます。これを「過失相殺」といいます。

被害者の過失割合が10%の場合
100%(全体)-10%(被害者の過失)=90%(加害者の負担額)

過失相殺の具体例

以下の例をご覧ください(全体の損害額を200万円とした例)。

■ 相手方(加害者)が追突や信号無視をした場合の過失割合
… 加害者100%:被害者0%
 200万円×(100%-0%)=200万円

■ 相手方(加害者)が一時停止を無視した場合の基本的な過失割合
… 加害者80%:被害者20%
 200万円×(100%-20%)=160万円

■ 相手方(加害者)が進路変更した場合の基本的な過失割合
… 加害者70%:被害者30%
 200万円×(100%-30%)=140万円

このように、100%の損害額を計算したうえで、そこから被害者側の過失割合の分を差し引いた残額が、被害者側が加害者側に対して損害賠償請求できる金額となります。

同じ損害額が発生する交通事故事案であっても、どれだけ過失相殺が行われるかによって、実際に相手方に請求できる金額が変わってきます。

過失相殺後の金額が自賠責保険基準を下回ることはあるか

過失相殺により、加害者側に請求できる損害賠償額が自賠責保険の基準を下回ってしまう場合、自賠責保険の基準額が補償されます。

そのため、実際には下回ることはなく、少なくとも自賠責基準の補償は受けられることになります。

過失相殺された分を補償してもらう方法はあるか

任意保険には「人身傷害特約」という特約があることをご存知でしょうか。

もし、被害者ご自身で加入の任意保険に「人身傷害特約」が付加されていれば、過失相殺により削られた金額を任意保険に補償してもらえることがあります。
詳しくは加入されている任意保険の契約内容をご確認ください。

過失相殺を少なくする方法

過失相殺を少なくして出来るだけ多くの損害賠償金を請求するためには、相手方保険会社(加害者側)と過失割合について話し合って決める必要があります。

話し合いの場で過失割合について争いが生じると、交通事故の状況等が問題になることが多いです。

交通事故の状況を調べるには、交通事故発生時に作成された「実況見分調書」等を取り寄せて調査する必要があり、その「実況見分調書」の内容から、被害者ご自身の有利になる情報を読み解く必要があります。

交通事故問題に強い弁護士にご相談ください

過失割合や過失相殺については、その判断が微妙なことが往々にしてあります。

このような手続きはかなり専門的であり、被害者の方がご自身で対応するには限界があるでしょう。
相手方保険会社は、そこをついて、被害者側に不利な割合を提示してくることがあるので、くれぐれもご注意ください。

もし、過失割合の提示に納得できない場合、交通事故問題に強い弁護士にご相談されることを強くお勧めします。
当事務所でも無料相談を受け付けておりますので、お気軽にご利用ください。

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交通事故専門弁護士やまケン(山﨑賢一)にご相談ください。

※大変申し訳ございませんが、加害者側のご相談はお受けできません。



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弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)
弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)

【東京弁護士会所属 No.21102】弁護士歴35年。交通事故取扱開始から21年のキャリアの中で手掛けた案件のうち交通事故分野は9割超。2023年末で累計2,057件の解決件数があり、年間にほぼ100件以上の交通事故事案を解決に導いています(2024年1月現在)。示談金の増額がなければ弁護士費用は一切不要の「完全出来高報酬制」で交通事故被害者を全面サポート!全国対応、交通事故のご相談は何度でも無料です。