交通事故の任意保険の弁護士費用特約とは

公開日:2011-04-20 |最終更新日:2023-10-31

弁護士やまケン

弁護士 山﨑 賢一(東京弁護士会所属)

1989年4月に弁護士登録。通称「やまケン」。全国各地からご依頼をいただき、年間ほぼ100件以上の交通事故事案を完全成功報酬型弁護士費用特約のご利用で解決に導いています。当コラムでは、交通事故の被害に遭われた方に役立つ基礎知識を共有できればと思っています。

任意保険の弁護士費用特約とは、交通事故の相手方との示談交渉などの弁護士費用を保険会社が負担してくれる特約をいいます。

交通事故の被害に遭った際、任意保険に加入していれば、原則、その保険会社の担当者が交通事故の相手方との示談交渉を行ってくれますが、被害者側に過失がまったく無い場合には、被害者の保険会社は示談交渉を行ってくれません。

「過失がまったく無い場合」とは、例えば、以下のようなケースです。

  • 自動車を走行中、交差点で停車していたところ、前方不注意の後続車に追突された場合
  • 青信号を走行中、別の自動車が信号無視をして、あなたの自動車に衝突してきた場合

上記のような場合、被害者側に過失は一切なく、相手方の過失が100パーセントとなります。

被害者が加入している保険会社に示談交渉をしてもらえないとなると、相手方との交渉はご自身で行わなくてはなりませんが、弁護士費用特約が付加されていれば、保険会社の費用負担で弁護士に交渉を依頼することができます。

ここでは、弁護士費用特約について詳しくご説明いたします。

弁護士費用の負担なく弁護士に示談交渉を依頼できる

通常、一般の方は、示談交渉の経験などなく、交通事故の相手方に請求できる金額の知識もないですから、相手方の保険会社に丸め込まれて、低額な賠償金で示談してしまうこともあるでしょう。

とはいえ、弁護士に示談交渉を頼めば、弁護士費用がかかるため、代理人を立てることも躊躇(ちゅうちょ)してしまいがちです。

そのようなとき、任意保険に弁護士費用特約が付加されていれば、弁護士費用は、あなたがご加入の保険会社が支払ってくれるので、気軽に弁護士に示談交渉を依頼することができます。

このように、弁護士費用特約は大変便利な制度であり、特約を付加する際の金額も僅かなものですので、是非ご加入されることをお勧めします。

被害者にも過失がある場合

被害者側に過失がある場合でも、原則として、弁護士費用特約を利用することができます。

なお、過失が100パーセントであれば、相手方に請求できるものはありませんので、弁護士費用特約を利用することはできません。そのような場合は、ご加入の保険会社の人身傷害特約を利用して、相当の補償を受けましょう。

弁護士費用特約の内容

弁護士費用特約の内容については、各保険会社によって多少異なりますが、一般的な例として、三井住友海上火災保険株式会社を例として、その内容をご紹介いたします。

損害賠償請求費用保険金

相手方への損害賠償請求を行う場合、弁護士・司法書士・行政書士等に依頼して実際に負担した損害賠償請求費用について(実費も含みます)、被保険者1名につき300万円を限度として支払われます。
ただし、300万円以下であればいくらでも支払われるという訳ではなく、事件の内容により支払われる金額には制限があります。

法律相談費用保険金

弁護士・司法書士・行政書士に法律相談を行う場合に、実際に負担した法律相談費用について、被保険者1名につき10万円を限度にとして支払われます。
この場合も一定の基準があり、10万円以下であればいくらでも支払われるという訳ではありません。

補償の対象

弁護士費用特約は、保険加入者ご自身のほか、一定の範囲のご家族も利用することが出来ますし、契約されている自動車以外の自動車に乗車中の事故、自転車運転中、歩行中の自動車事故も補償の対象となっています。

先ほど記載したとおり、弁護士費用特約の内容については、各保険会社によって多少異なる場合があります。
交通事故に遭われた際は、弁護士費用特約を利用できるかどうか、ご加入の保険会社にお問い合わせください。

保険の等級

弁護士費用特約を利用しても、保険の等級が落ちることはありません。
また、加入期間内であれば何度でも利用可能です。被害に遭われた方の人数制限もありません。

ご参考まで
三井住友海上の家庭用自動車総合保険(2023年10月19日時点)
三井住友海上|【自動車保険】「弁護士費用特約」は、どのような特約ですか?」

弁護士費用特約を利用するメリット

弁護士費用特約を利用する第1のメリットは、保険会社の費用負担で弁護士に示談交渉を依頼できるという経済的な面です。

第2のメリットは、煩わしい手続きを経ることなく、適正な示談金を得ることができるという精神的な面です。相手方保険会社との交渉は時間や労力を要し、精神的な負担も大きいでしょう。

また、専門家ではない一般の方が交渉しても、保険会社は最低限の示談金の支払いにしか応じないことが大半です。

しかし、弁護士が交渉すれば、適正な示談金の支払いに応じてくるのが通常ですし、裁判による解決が必要となったときでも弁護士が手続きを代行してくれるので、是非、弁護士費用特約を有効にご利用ください。

当事務所では、交通事故被害者の方からのご相談は何度でも無料で受け付けており、全国対応しておりますので、ご不明な点等ございましたらお気軽にお問合せください。

弁護士費用特約の選び方

自動車任意保険加入の方には、弁護士費用特約への加入をお勧めしております。
交通事故に遭われた場合、弁護士費用特約に加入していると、弁護士費用の負担が原則なくなります。

特約保険料も年間で「数千円」程度に過ぎませんので、再度事故に遭ってしまった場合に備えて、加入を強くお勧めいたします。
なお、自動車による交通事故以外の事故に備え、自転車・スキーなどの日常生活事故にも使用できる特約に加入してください。

特約に加入されている方でも、「タイムチャージ」の適用がある特約でないと、複雑な事案、訴訟を要する案件などに対応できない場合があります。
タイムチャージの適用がない特約に加入されている場合は、次回の契約更新時にタイムチャージの適用がある保険会社に変更することをお勧めいたします。

また、保険会社を変更される場合には、タイムチャージのない保険会社に変更することは避けてください。

タイムチャージの適用がある保険会社の例

タイムチャージの適用がある保険会社の例としては、次のとおりです。

  • ソニー
  • 損保ジャパン
  • 三井住友海上
  • セゾン
  • 三井ダイレクト
  • JA

タイムチャージの適用がない保険会社の例

タイムチャージの適用がない保険会社の例としては、次のとおりです。

  • SBI
  • アクサ
  • 日新火災

その他の保険会社については加入前にご確認ください。
以上、ご検討ください。

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交通事故専門弁護士やまケン(山﨑賢一)にご相談ください。

※大変申し訳ございませんが、加害者側のご相談はお受けできません。



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担当の弁護士より、折り返しご連絡いたします( TEL: 03-5251-2300)。

弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)
弁護士 山﨑 賢一 (Kenichi Yamazaki)

【東京弁護士会所属 No.21102】弁護士歴35年。交通事故取扱開始から21年のキャリアの中で手掛けた案件のうち交通事故分野は9割超。2023年末で累計2,057件の解決件数があり、年間にほぼ100件以上の交通事故事案を解決に導いています(2024年1月現在)。示談金の増額がなければ弁護士費用は一切不要の「完全出来高報酬制」で交通事故被害者を全面サポート!全国対応、交通事故のご相談は何度でも無料です。