運転中のストレスが誘発する交通事故のリスク
運転中のストレスに、交通事故を引き起こす要因があることをご存知でしょうか?
人は運転中、平常時より血圧が高くなる傾向にあるといわれています。
血圧が高い状態で長時間の運転を続けると、思わぬ事故を招くこともあります。
今回は、交通事故を未然に防ぐために、運転中に抱える様々なストレスや、その対処方法についてご紹介します。
目次
交通事故発生の要因となる様々なストレス
ストレスなく、常に良好な状態で運転することは難しく、多くのドライバーは、知らず知らずのうちに、何らかのストレスを抱えて運転しているものです。
しかし、運転中、過度なストレスに晒され続けていると、そのイライラや焦りから冷静さを欠いた行動を起こし、交通事故に発展してしまうことがあります。
注意が散漫になり、適切な判断ができずに操作ミス等に繋がるのです。
運転中のストレスと上手に付き合い、交通事故を未然に防ぐためには、自分の状態を客観的に見つめることが大切です。
それでは、運転中に、どのようなことがストレスの原因となるのかを見ていきましょう。
運転中のストレス原因① 立腹やイライラ
他車が自己中心的で不安全な運転(割り込み運転等)をしているとき、また「早く走れ」と言わんばかりに車間距離を詰めて後ろから追い立てられたとき等、イラッとしたことがありませんか。
他車のドライバーに対する怒りやイライラが募ると、過度のストレスに晒されることになり、交通事故を引き起こす恐れがあります。
運転中のストレス原因② 事故に対する不安
このタイプのストレスは、他車や歩行者の無防備な行動に対し、「交通事故の加害者になりはしないか」という不安を抱く方に多いようです。
雨や雪の日などの運転は、通常より視界が悪くなる上に、路面が滑りやすいことから、交通事故に対する不安が高まり、ストレスを感じてしまいがちです。
天候にかかわらず、夜間の運転も、暗くて視界が悪くなるので、視力に自信がない方にとってはストレスの度合いが高まります。
また、自分の身の危険に対する不安については、トラック等の大型車が対向車であるときや、自車の前後に大型車がいるときに、接触しないだろうかと不安や恐怖を感じ、それがストレスになることがあります。
同じように、工事現場やクレーン車が近くにあるときにも、ストレスを感じやすいといわれています。
運転中のストレス原因③ 気持ちの焦り
特に、タイトなスケジュールの中で渋滞に巻き込まれたとき、時間的なプレッシャーによってストレスが高まります。
そのほか、右折や車線変更をする際、焦りを感じて強いストレス状態となる場合もあります。
往来の激しい道路での右折や車線変更は、いつ途切れるかが分からず後続車が詰まっていないかが気になってしまったり、また、なかなか右折や車線変更ができない自分に対してネガティブ感情が生じたり等が原因で、ストレスとなり交通事故につながっていくのです。
運転中のストレス原因④ 不快や疲労
不快となる原因の一例として、クラクションが挙げられます。
クラクションは、仮に自分に向けられたものではなくても、あの独特な大きな音にストレスを感じてしまうことがあります。
また、長時間の運転は疲労感が高まり、強いストレス状態となっていきます。
交通事故を未然に防ぐ!運転中のストレスを減らすためには
運転中のストレスの大きな問題点は、ネガティブな感情を払拭できないまま不安全な運転を起こしてしまうことです。
つまり、過度なストレス状態が続くと、運転に対する集中力が欠けて注意が散漫になり、交通事故に発展しやすくなるのです。
交通事故を未然に防ぐために、ストレスを軽減する方法を見つけ、対処していく必要があります。
運転中のストレス対処方法① 立腹やイライラ
他車の無防備な走行に対して怒りを感じ、ストレスとなることがあると思いますが、そのようなときは、冷静さを取り戻すことが重要です。
無理な追い越しや煽り運転、割り込みなど、されて気分が良いものではありません。
しかし、ストレスから自分を守るためには考え方を変える必要もあります。
例えば、他車に割り込まれたとき、イライラしてしまうのは、自車の前にある空間を侵入されたと感じるからでしょう。
道路は自分だけが利用するものではないし、その空間は公共のものだと考え方を転換すれば、心にゆとりが生まれ、怒りも静まります。
このように感情を調節して冷静さを取り戻すことで、交通事故の発生を回避することができます。
また、車内の香りや音楽を適度に楽しむことで、気分を落ち着かせることもできるでしょう。
好きな香りや好きな音楽、好きな小物等で車内を整えておけば、自分好みの環境で運転でき、ストレス軽減に繋がります。
運転中のストレス対処方法② 事故に対する不安
視界の悪さや、歩行者の飛び出し等に不安を抱くことは、安全運転を行う上で必要不可欠ですが、その不安によって強いストレス状態となれば、逆に交通事故を招く恐れがあります。
過度な不安感情や緊張を感じるときは、通常より車間距離を保ち、速度を緩めましょう。
車間距離をとることで視野が広がるとともに、速度を落とすことで不安が軽減され、交通事故発生のリスクを回避できる可能性が高まります。
また、信号を先読みして速度調整、乱暴な運転をするなど問題のある車を見かけたら近寄らない等の対処も不安解消に繋がります。
運転中のストレス対処方法③ 気持ちの焦り
「運転中に気持ちが焦りやすい」という自覚症状がある場合は、予防策として、事前に交通情報を確認し、安全な走行ルートを計画することも必要です。
また、好きなガムや飴を食べることも、ストレスを和らげる効果があります。
ガムを一定のリズムで噛み続けると、集中力を高めて焦りや緊張を鎮める『セロトニン』が脳内で分泌されるといわれています。
飴などの甘味も心を落ち着かせる作用があるので、運転する際はガムと飴を持っておくと安心です。
運転中のストレス対処方法④ 不快や疲労
周りに影響されることなく、落ち着いてマイペースな走行を心がけましょう。
また、運転中の姿勢が崩れていると疲労が出やすくなるので、姿勢を正すことで改善される場合もあります。
できるだけ長時間の運転は避け、適度な休憩を挟むことも重要です。
休憩時には、軽い運動をしたり、お茶やコーヒー(鎮静作用があります)等を飲んだり、リクライニングシートを下げて目を閉じたりして、気分を休ませましょう。
ストレスを感じると呼吸が浅くなるため、深呼吸を行うのも有効です。
最後に
以上、交通事故発生の要因となる様々なストレス、及びその対処方法についてご紹介しました。
自動車は便利なものですが、交通事故を起こしてしまうと、人に怪我を負わせたり、最悪な場合、人の命を奪ったりすることもあります。
安全に運転するために、今一度、運転中のストレス予防について考えてみてはいかがでしょうか。