交通事故で最も多い追突事故の予防策は?
自動車同士の交通事故のうち、最も多いといわれているのが、追突による交通事故です。
交通事故は、車両の破損だけでなく、ときには人の命をも奪ってしまいかねません。
今回は、追突事故を「起こさない」「起こされない」予防策をお話しさせていただきます。
目次
追突事故とは
追突事故とは、先行車に後続車が衝突する交通事故のことをいい、交差点での信号待ちや、渋滞時の減速中に多く発生します。
当事務所でよくご相談をお受けする事例としては、高速道路での渋滞中の追突事故です。
衝撃が強い場合は、玉突き事故になり、大きな事故に発展しかねません。
追突事故が起こる原因として以下の項目を説明していきます。
前方不注意
主に脇見運転と呼ばれるもので、運転中何かに気を取られ前方から視線を外してしまう行為のことを言います。
看板や店の外観に目を奪われた、考えごとでぼんやりしていた、同乗者との会話で横を向いていたなど。
非常に多いのはカーナビやカーオーディオ、携帯やスマートフォンの操作で起こる脇見運転です。
ほんの少しの間視線を外すだけでも、重大な事故へと繋がるかもしれない危険な行為です。
動静不注視
主に思い込み運転と呼ばれ、前方車を認識しているにも関わらず、動静を注意して見ていない状態を言います。
例えば、信号が青になれば自動車は走り出しますが、何らかの理由で前方車が停止したままだったとします。
青=動くの思い込みで後方車が走り出すと当然衝突事故が起きてしまうので、これを動静不注視と呼びます。
前の車両は急な停止や減速をしないだろう、車線変更しないだろう、そんな“思い込み”が非常に危険なのです。
その他の原因
上記の他、追突事故の原因として、以下の4つも挙げられます。
- 走行スピードを出しすぎていたため
- 前方車の停止や減速に間に合わず追突するスピードの出しすぎ
- 前方車との距離を詰めて運転していたため
- 急な停止や減速に反応できず追突する「車間距離不足」
などがあります。
事例①『高速道路上で後続車に追突され、脊髄損傷を負った事例(後遺症5級)』
事例②『高速道路渋滞中に追突され、むちうち症を負った事例(後遺症14級9号)』
事例③『高速道路パーキングエリア入口で追突されたむちうち症の事例(後遺症14級9号)』
加害者にならないための予防策
追突事故は主に油断が引き起こします。
走行しているのは自分だけではない意識を持って運転することが大切です。
一定の車間距離
車間距離の意味は“前方車がある地点を通過してから、後方車(自分の車両)がその地点を通過するまでの時間”です。
一般的に2~3秒が安全に運転できる車間距離だと言われています。
高速道路では時速と同じ、例えば時速100キロで走っているなら100メートルを開けるのが一般的です。
これらを頭に叩き込み、くれぐれも車間距離を詰めないようにしましょう。
2~3台前の自動車を確認
注意するのは前方車だけではありません。
2~3台前の車両の状況を確認し、前方車の動きを予測することも大切です。
例えば、2台目前の車両が車線変更をしたり割り込みに遭うと前方車は減速を余儀なくされます。
2台目前の車両の状況を知らなければ、突然減速した前方車に驚いてしまうかもしれません。
けれどその状況を知っていれば、前方車の減速を大いに予測でき、後方車(自分の車両)も早めの減速を行い、追突事故を未然に防ぐことができるのです。
操作は停止中に
携帯やスマートフォン、カーナビやカーオーディオの操作は信号待ちなどの停止中に行いましょう。時間が掛かる場合は道路脇に停めて行います。
スマートフォンの通話はハンズフリーなら違反になりませんが、大声で喋っているとクラクションや救急車の音が聞こえない可能性があるため、なるべく控えるようにした方が無難です。
自動車に乗らないという選択
疲労しているとき、強いストレスを受けているとき、常に悩んでいるときは運転自体を控えましょう。
運転に集中できていないと道を間違える、障害物にぶつかるなど、いつもはしないようなことをしてしまうもの。
追突事故の確率も高くなります。
体調不良や精神的な疲れは、正常な判断ができなくなることを覚えておきましょう。
被害者にならないための予防策
逆に追突事故の被害者にならないよう、日ごろから気を付けておくことがあります。
早めの点灯
夕暮れ時、雨や悪天候で薄暗いときは早めにライトを点けましょう。
薄暗いと後方車から前方車が見えにくいため、追突される可能性が高いのです。
道路照明が点灯する前にライトを点灯する癖をつけておくと、後方車に存在をアピールできて安心です。
減速するとき
渋滞などで減速しなければならないときは、ブレーキを軽く踏んで数回ブレーキ灯を点滅させましょう。
後方車への合図になります。
ブレーキを踏むとき
後方車の車間距離が狭いとブレーキで追突される恐れがあります。
ブレーキを踏む際は毎回バックミラーで後方確認しましょう。
車両が故障したとき
思わぬ車両故障のときは、路肩に停めておくのは危険です。
後方車に追突される可能性が高いので、非常駐車帯に停車させましょう。
ひとりで動かせない場合はハザードランプを点灯、自動車の後ろに三角停止表示板を置くなどして後方車に動けないことをアピールします。
最後に
安全運転を欠いた行動で交通事故は発生します。
追突事故の加害者、被害者にならないよう思いやり運転を心がけましょう。
追突事故に遭遇してしまった際は交通事故専門弁護士【やまケン】への相談をご検討ください。