死角を原因とする交通事故
交通事故の専門弁護士やまケンの法律事務所です。
交通事故に遭遇してしまった際は交通事故専門弁護士のやまケンまでご相談いただければ真摯に対応をさせていただきます。
さて、皆さんは自動車の運転中、突然歩行者や車が現れて驚いた経験はないでしょうか。
視界、サイドミラーやバックミラーに映らない死角。
死角による交通事故は以前から後を絶ちません。
本日は、交通事故の原因になりやすい死角についてお話します。
目次
死角の種類
一般的に自動車の運転手は死角内に人がいないか、安全確認をする義務があるとされています。
これを怠り交通事故を起こした場合、自動車の運転者に過失が生じます。
死角には様々な種類があり、どんなものがあるのか覚えておく必要があります。
ピラーからの死角
自動車は、前後左右が箱の形状で囲まれているため、見えない部分が多くなります。
自動車の重要な構造上の部分がピラーと呼ばれる柱で、前後2本、計4本のピラーがありますが、
1本のピラーに歩行者や自転車、バイク、自動車などが隠れる死角ができてしまうのです。
死角にいる自動車などを見落とし、右折や左折を行った場合、衝突してしまう可能性が非常に高くなります。
右折や左折を行う際は、近くに歩行者などがいないか充分に確認する必要があります。
前方や側方の死角
運転席からウィンドウの下は全くみえません。
車体より背の低い子供やお年寄りの姿は殆ど見えないと言っても過言ではなく、特に車体の高いトラックやバスは危険です。
大型車にはアンダーミラーがついているので発進前は必ず確認するようにしましょう。
アンダーミラーのない車は、発進前に頭を動かし前をのぞき込んで確認することも有効な手段です。
死角になりやすい場所は自分の目で見て確認しましょう。
後方の死角
前方や側方と同じく、自動車の後方も死角になります。
駐車場に停車する場合や車庫入れのバック走行で、しゃがんでいた子供に気付かずひいてしまうという痛ましい交通事故をニュースで聞いたことはないでしょうか。
そのような事故を軽減させるためバックモニター付きの車が多くなりましたが、それでも完全に死角を解消できる訳ではなく、斜めから近付いてくる子供や三輪車などはモニターに写りません。
バックするときは一度車から降り、周りに子供がいないか確認してください。
カーブによる死角
カーブは数メートル先が見えず、元々見通しが悪いものです。
カーブを曲がり切ったところに前方車がいて追突してしまった、という交通事故は少なくありません。
また、カーブでスピードを出すと、曲がり切れず対向車線にはみ出し対向車と正面衝突してしまう。
このような交通事故も多く発生しています。
先が見えない(死角)からこそ、スピードを落とし、慎重に走行することが交通事故を起こさないポイントです。
駐車自動車による死角
建物の前や路肩に駐車している自動車などに対し、人は止まっていることで油断する傾向があります。
駐車している自動車自体が死角となり、自動車の陰から飛び出して来た歩行者に衝突してしまうことも。
特に大型車の死角からは数人の歩行者が現れることがあり危険です。
また、交差点で停車している自動車の陰から、バイクがすり抜けて来ることがあります。
停車している自動車の近くを走るときは“もしかしたら人が出てくるかもしれない”と想像しましょう。
スピードを落とす、一時停止をするなどして突然の飛び出しにも対応できるよう事前の心がけが大切です。
死角による交通事故の防止策
発進前に目で確認する、停車中の自動車の脇を通る時やカーブを曲がるときはスピードを落とすなどの防止策を紹介しましたが、それ以外にも注意すべきことがあります。
クリープ現象で進む
自動車を発進させる前に人や障害物がないか、目視して確認する。
ここまでは先ほど紹介した通りですが、それに加えて行うことがあります。
より安全に発進するには、タイヤが一回転するまでアクセルを踏まないことです。
そうすると自動車はクリープ現象でゆっくり進み、例え飛び出しがあっても対応が遅れることはない筈です。
正しい運転姿勢を取る
正しい運転姿勢とは、視界がある程度確保され、車体の揺れによる体のブレを最小限に抑え、自動車と一体になって運転操作ができる姿勢です。
視界が良くなれば、完全ではなくても死角の危険を少しでも軽減できます。
背中をシートバックにつけて背筋を伸ばし、お尻とシートに隙間ができないよう深く腰掛けて運転するようにしましょう。
余計な装飾品をつけない
自動車内にウィンドウにシールを貼る、前後のダッシュボードにぬいぐるみや人形、フィギアを置くことなどは、自動車の視界の妨げになり危険です。
また、運転席の近くにぶら下げている大量のお守りなども視界を邪魔します。
何もしてはいけない、ということではありませんが、貼る場所、置く場所やぶら下げる場所を考えるようにしましょう。
死角は避けられないものなので、仕方ないで済む話ではありません。
日頃から視界と死角に注意し、安全運転を心がけましょう。