交通事故から幼児を守るチャイルドシートの必要性
交通事故専門弁護士やまケンの法律事務所です。
交通事故に遭遇してしまった際は、交通事故専門弁護士のやまケンまでご相談いただければ、真摯に対応をさせていただきます。
さて、道路交通法により2000年から6歳未満の幼児~学童に義務付けられているチャイルドシート。
使用されているご家庭も多いことでしょう。
交通事故に巻き込まれた場合、装着していなかった幼児の致死率は、チャイルドシートを装着していた幼児の2倍以上と言われています。
幼児を守るためのチャイルドシートですが、正しく装着していなかったり、面倒と感じ装着させなかったり、全員が使用しているとは限らないようです。
本日は、チャイルドシートの必要性や、適切な装着方法をご説明します。
目次
チャイルドシートとは
幼児は、大人用のシートベルトを適切に使えないため、交通事故から幼児を守るよう作られた装置です。
体を座席に固定させ衝撃から幼児を守ります。
そして、運転中に幼児が暴れて運転の妨げになることもあるので、安全運転を確保するためのものでもあります。
チャイルドシートには成長に合わせて3種類に分けられます。
乳児用
新生児~1歳の間に使用し、後ろ向きのシートタイプ、横向きのベッドタイプに分けられます。
まだ首が据わっていないため寝かせて使用します。
幼児用
使用目安は、首が据わり自分で座席に座れるようになったころです。
前向きシートに変わり、1~4歳の間に使用します。
学童用
身長が100㎝を超えるころが切り替え時期で、4~6歳の間に使用します。
背もたれつき、ブースター型の2種類に分かれます。
大人用のシートベルトを適切に使用するための補助として使われます。
チャイルドシート不使用で起こる交通事故の危険性
チャイルドシートは義務ですが、守られていない方もいます。
- 装着が面倒だから
- 子供がチャイルドシートを嫌がるから
- 子供が多くてチャイルドシートが足りないから
・・・など、その事情は様々です。
しかし、交通事故が起きた場合、チャイルドシートを装着していないことで起こる子供の危険とは、どのようなものがあるのでしょうか。
交通事故で、自動車が衝撃を受けると、同乗者全員に自分の体重以上の負荷がかかります。
子供も例外ではありません。
そして、以下のようなことが起きる可能性があるのです。
交通事故の危険性① 抱っこされていた場合
「チャイルドシートを装着していなくても自分が抱っこして守ってあげれば良い」、そのように思われる親御さんもいらっしゃるでしょう。
しかし、抱っこしている状態で交通事故に遭った場合、子供がエアバッグに押し潰れてしまう危険性があります。
6歳未満の子供にエアバッグの衝撃は耐えられないからです。
また、子供を上手く守れなかった場合、自分の体で子供を潰してしまう危険もあり、抱っこでは子供の安全を守れないのです。
交通事故の危険性② 車外に放り出される
交通事故の衝撃で窓が割れたり、ドアが開くことで子供が車外に放り出されることがあります。
路面に体を打ち付ける、後続車両にひかれる、崖から落ちるなどの命に関わる危険性があります。
チャイルドシートを装着していれば、少なくとも外に放り出される可能性は低くなります。
交通事故の危険性③ 車内で強打
交通事故の強い衝撃によって、座席やドアなどに叩きつけられることがあります。
また、子供が後部座席に座っていた場合、衝撃で前席の背もたれにぶつかる、飛び越えて前席の人にぶつかることも考えられます。
チャイルドシートを装着していれば、防げる可能性は高いのです。
交通事故の危険性④ 中途半端なチャイルドシート使用
チャイルドシートを装着していても、付け方や選び方が不十分だと、思わぬ交通事故を招く可能性があります。
例えば、座席の固定が中途半端な状態だった場合、急カーブや急ブレーキで揺れて動くことがあります。
最悪の場合、体がチャイルドシートから放り出されるかもしれません。
また、体格に合っていないチャイルドシートを装着することで体が抜けてしまったり、ベルトで内臓を圧迫してしまう可能性もあるのです。
チャイルドシートを適切に使いましょう
チャイルドシートはただ装着すればいい、という訳ではありません。
3種類あるチャイルドシートのうち、我が子の体格と成長に合ったものを選ばなくてはいけません。
その他にも以下のことに気を付けて使用すると良いでしょう。
適切な取り付け方
チャイルドシートの取り付け場所は、原則として後部座席です。
助手席に取り付けた場合、交通事故の際のエアバッグが6歳未満には危険だからです。
ただ、やむなく助手席に取り付けなければならないときは、座席を限界まで後ろに下げて、エアバッグとの距離を取るようにしてください。
適切な角度とベルト調節
子供の体に合わせてシートの角度、ベルトの調節を行いましょう。緩くても、締めすぎてもいけません。
また、子供の成長は早いため、今の体に合っているかこまめに確認しておくと良いでしょう。
年齢の上限はない
チャイルドシートの義務は6歳未満ですが、6歳以上になっても体格が小さく、大人用のシートベルトを使えない場合があります。
そのようなときは安全を確保するためにも、シートベルトが使えるようになるまでは学童用のチャイルドシートを使用させるようにしましょう。
チャイルドシートは、シートベルトと同じ役割を持っています。
子供の身を守るためにも、チャイルドシートは絶対に必要だと知っておいてください。