整備不良車両による交通事故と防止策
やよい共同法律事務所の弁護士やまケンこと山﨑賢一です。
交通事故被害に遭遇してしまった際は、“交通事故専門弁護士やまケン”までご相談いただければ、真摯に対応をさせていただきます。
交通事故には、主に2通りのケースが存在します。
自動車の操作ミスや思い込み、判断ミスによる交通事故、もうひとつは自動車の故障が原因で発生する交通事故です。
自動車の故障は主に整備不良が原因で、整備の行き届いていない自動車のことを“整備不良車両”と呼びます。
本日は、整備不良と交通事故についてお話しします。
目次
整備不良車両の交通事故
道路交通法62条により、整備が整っていない自動車の運転は禁じられています。
減点と罰金の罰則規定があり、例え交通事故を起こさなくても、取り締まりで整備不良が発見されれば罰則が適用されます。
整備不良による交通事故が発生した場合、運転手のほか自動車の持ち主と整備担当者にも責任が課せられる可能性があります。
では、整備不良車両による交通事故とはどのようなケースがあるのでしょうか。
タイヤ不良
最も多いのがタイヤ不良による交通事故です。
例えば、雪道にも関わらず夏用タイヤのままだったため、凍結路でスリップ事故を起こしたケース。
空気圧が低下したタイヤをそのまま走らせた結果、タイヤが破裂し衝突事故に繋がったケース。
摩擦ですり減ったタイヤを使用していたため、スリップやパンクで周りの車を巻き込んだケースなどがあります。
ブレーキ不良
ブレーキが全く効かなくなるような故障は多くありませんが、効きが悪くなることは多々あります。
原因は複数あり、ブレーキオイルに空気が混入して起こる“ペーパーロック現象”、ブレーキオイルの劣化、ブレーキパッドの少ない残量などが挙げられます。
ブレーキの効きが悪い状態で走行すると、ブレーキや急ブレーキを要する場面で間に合わず交通事故に至るケースがあるのです。
アクセル不良
アクセル不良による交通事故は、アクセルを踏んでも加速しない、徐々にスピードが落ちることで追突や衝突の危険性があります。
原因は、スパークプラグの点火部分が汚れていると火花が飛ばなくなるため、エンジンの回転が悪くなることでアクセルを踏んでも加速しなくなるのです。
また、プラグコードの劣化や燃料タンクに入り込む水、燃料フィルターの汚れなどが原因として挙げられます。
ストップランプ不良
ストップランプの電球が切れている状態でブレーキを踏み、後続車から追突される交通事故です。
この場合、ストップランプを点灯させなかった側に責任が問われます。
電球が切れているか通常では気づきにくいため、夜間にブレーキを踏んで赤いランプが点くか確認をした方が良いでしょう。
なぜ整備不良が起こるのか
車検やディーラーの点検不十分のほか、一番多いのが自動車の持ち主が定期点検を行わないことです。
自動車を購入して数年は大切に乗ろうという意識が働くため、こまめに点検します。
けれど年月が経つと少しの不具合では気にならなくなり、定期的な検診や車検をおざなりになることも。
故障に気付かないまま運転し、整備不良車両の交通事故に繋がるのです。
では、整備不良の交通事故を防止するにはどうすれば良いのでしょうか。
必ず車検と定期点検をする
怠ったことが原因で交通事故を起こしてしまうのは悔しいものです。
必要最低限、車検と定期点検を行って、不良個所がないか確認しておきましょう。
自分では気づかない故障に気付いて貰えるので、余計な事故を起こさなくて済みます。
長距離のドライブや高速道路を走行する前には、念入りに点検を行ってください。
また、不良個所は必ず修理をしてもらいましょう。
日常的に自分で点検する場合のポイントは以下の通りです。
空気圧の点検
タイヤは自然に空気が抜けていく風船のようなものなので、空気圧はこまめに点検と充填する必要があります。
空気充填機がガソリンスタンドに設置されている場合、自由に使うことができます。
また、希望すれば空気圧の点検をしてもらえる場合もあります。
スリップサインの有無
走行の摩擦によってタイヤは徐々にすり減っていき、溝が深くなると“スリップサイン”が現れます。
スリップサインがでた場合は直ちにタイヤを交換しましょう。
こまめにタイヤの状態を確認しておくと安心です。
警告灯で異常を確認
警告灯は自動車の異常や故障を知らせてくれます。
通常はエンジンスイッチを入れると警告灯が点き、エンジンをかけると消灯します。
消灯しない場合は異常や故障の可能性があるため、早めの対処が必要になります。
警告灯の種類はブレーキ、油圧、充電、水温、排気温など。
運転をしなくても、こまめにエンジンをつけて確認しておきましょう。
整備不良事故は、事前の整備や点検を怠ったことによる交通事故です。
「あのとき修理をしてもらっていたら」「あのとき車を点検していれば」とタラレバで後悔しても時間は戻せません。
体や心と同じように、自動車のメンテナンスも行うようにしましょう。